
たいしょくん
「なあ、“ブラック企業大賞”って聞いたことある?毎年どこかの会社が選ばれてるやつ。」



つかれちゃん
「あー知ってる!なんか過労死とかパワハラがひどい会社が“受賞”しちゃうやつでしょ?ネットニュースでよく見る。」



たいしょくん
「最近、自分の会社もちょっと怪しくてさ……“うちもノミネートされそう”とか冗談で言ってたら、なんか笑えなくなってきて……」



ねぎらい先輩
「それは“感覚が麻痺してきてるサイン”かもしれないな。
ブラック企業大賞ってのは、単なる炎上ネタじゃなくて、“働き方を見直すきっかけ”として機能しているんだ。
今日はその内容と、どうやって“自分の職場と見比べればいいか”を一緒に考えてみよう。」
ブラック企業大賞とは?
どういう目的で始まったのか



たいしょくん
「そもそもさ、なんで“ブラック企業大賞”なんてものがあるの?企業の恥を晒すだけじゃないの?」



つかれちゃん
「私も最初そう思ってた。でも、ちゃんと理由があるらしいよ。“働き方の問題を社会に可視化する”っていう目的があるんだって。」



ねぎらい先輩
「その通り。“大賞”っていう名前は皮肉っぽいけど、本質は“過酷な職場で苦しんだ人たちの声を表に出す”ことにある。
特に、労災・自殺・パワハラといった深刻な問題を放置している会社が対象になっている。」



たいしょくん
「なんだ……ただのネット炎上イベントかと思ってたけど、ちゃんと意味があったんだな。」
誰が主催しているのか



つかれちゃん
「運営してるのも、いわゆる市民団体とか労働問題に関わってる人たちなんだよね?」



ねぎらい先輩
「ああ、“ブラック企業大賞企画委員会”っていう団体が中心になっていて、そこには弁護士、大学教授、ジャーナリスト、NPOの人たちが加わっている。
企業批判が目的じゃなく、“労働者の権利が守られる社会”を作るために活動してるんだ。」



たいしょくん
「じゃあ、ちゃんとした裏付けがあるってことか……なんか信ぴょう性も変わって見えてきたな。」
選ばれる基準は?自分の職場と比べてみよう
長時間労働、パワハラ、過労死ラインなど



たいしょくん
「先輩、ブラック企業大賞って、どういう基準で選ばれてるんですか?」



ねぎらい先輩
「一番多いのは“長時間労働”だね。法律上の残業時間を大きく超えていたり、いわゆる“サービス残業”が常態化しているケース。
それに加えて、“パワハラ”や“精神疾患を誘発するような働かせ方”も、強く問題視される。」



つかれちゃん
「うちの部署も、タイムカード切ったあとに“もうちょっとだけ”って仕事が当たり前になってて……。これも問題ですよね?」



ねぎらい先輩
「もちろん。“自己責任で残ってる”ように見せかけて、実は会社の構造として成り立っているなら、それも立派なブラックの兆候だ。」



たいしょくん
「先輩、過労死ラインって月80時間って言いますよね?
自分、この前の月90時間いってたんですけど……」



ねぎらい先輩
「うん、それは要注意だね。健康への影響も大きいし、“辞めようかな”と少しでも思っているなら、その直感は大切にしていいよ。」
会社が隠したがる構造的な問題



つかれちゃん
「あと、“ブラック”って外からは見えにくいですよね。求人にはいいことばっか書いてあるし……」



ねぎらい先輩
「その通り。見た目はホワイトでも、実態はブラックという職場は少なくない。
特に、内部で問題が起きていても“隠蔽する体質”のある会社は、受賞対象になりやすい。労災を揉み消そうとしたり、相談窓口が機能していなかったりね。」



たいしょくん
「……先輩、それ、ちょっと身に覚えあるかもしれません……。うちの上司、部下の体調不良とか“気のせいだ”で片付けるんですよ。」



ねぎらい先輩
「それは軽く考えちゃいけないよ。“問題を問題として扱わない組織”は、自分で気づかないうちに人を追い詰めてしまう。」
ブラック企業で働いているかも?と感じたときに



たいしょくん
「正直、自分の会社が“完全にブラック”ってほどじゃないと思ってたんです。でも、先輩の話聞いてたら……なんか、いろいろ当てはまってる気がして……」



つかれちゃん
「私もずっと“こんなの普通”だと思って働いてた。でも、他の人の話を聞いたときに、“あれ?なんで私こんなに疲れてるんだろう”って急に気づいて。」



たいしょくん
「最近、朝起きたときに吐き気がするとか、出社前に手が震えるとか……まさかそれも……」



ねぎらい先輩
「それは、身体が出している“限界のサイン”かもしれないね。
人は強いストレスを受け続けると、心の疲れが体に現れることがある。慢性的な眠れなさ、胃の不調、理由のない焦燥感……もし心当たりがあるなら、無理をしないで。」



つかれちゃん
「でも、職場で“辞めたい”って言いにくくないですか?言ったら悪者扱いされそうで……」



ねぎらい先輩
「わかるよ。でもね、まず大切なのは“誰かに話すこと”。信頼できる人が社内にいなければ、労働相談窓口や外部の機関もあるし、退職をサポートしてくれるサービスもある。
自分一人で抱えこまないことが、最初の一歩なんだ。」



たいしょくん
「……“辞めたい”って、口に出してもいいんですね。」



ねぎらい先輩
「もちろんさ。辞めるかどうかは別にしても、“苦しい”と感じたときに声を上げるのは、弱さじゃない。自分を守る、強さなんだよ。」
社会全体で「働き方」を見直すために



たいしょくん
「ブラック企業大賞って、最初は“炎上させて終わり”みたいなイメージだったけど……全然違いましたね。」



つかれちゃん
「うん。問題のある会社を“見える化”するだけじゃなくて、私たちが“何を普通と思わされてたか”にも気づける場なんだなって。」



ねぎらい先輩
「その通りだよ。ブラック企業大賞は、単に“悪い会社を吊るす”ためじゃない。
“おかしな働き方に、社会としてNOと言えるかどうか”が問われているんだ。」



たいしょくん
「でも、会社って結局選べないし……どこ行っても一緒なんじゃないかって、諦めそうになることもあって……」



ねぎらい先輩
「たしかに、“理想の職場”なんて存在しないかもしれない。けれど、“自分をすり減らしてまで続ける場所”は、絶対に違う。
君たちは、働くためだけに生まれてきたんじゃない。もっと自分の心と体を、大切にしていい。」



つかれちゃん
「……働き方を見直すって、社会のことだけじゃなくて、自分の生き方を見つめ直すことなんですね。」



ねぎらい先輩
「うん。誰かが声を上げることで、職場は変わっていく。
もし君の職場が“おかしい”と感じるなら、それはきっと、無視しちゃいけないサインだよ。」
コメント